和「汚物をぶちまけろ」

和「汚物をぶちまけろ」

和「汚物をぶちまけろ」

3: おじさん、こんにちは、平沢憂です。 2010/12/26(日) 04:30:11.11 ID:MMzCkGP00
「和ちゃん、一緒に学校行こう」

幼馴染がいつも通り、へらっと笑ってそう言うから、私は大層驚いた。
彼女の瞳は相変わらず澄んでいたけれど、それでもって彼女のことを分かっているだなんて、
そんなおこがましい事はもう言えなくなっていた。

「あ……ええ、わかったわ、行きましょうか」

搾り出すような声で返事をする私に、幼馴染は微笑みかけた。
ピンで止められた柔らかそうな髪が揺れる。

「やった。ねえ、手、繋いでいいかな?」

どうして、この娘はこんなことを言うのか、言えるのか。
クリスマスは近い。
どこかで、二千年前の聖者様が、私を見張っているんじゃないか、そんな気がする。
そんな気持ちが、ぎちぎちと、私の腕を締め付ける、手を縛る。

「なんてね。補習、遅れちゃうから急ごうか」

冬休みにも補習があるなんて、ブラックジョークにもならないよ。
そんなことを言っていたとは思えない、真面目な発言。
私の手は握られたまま、縛られたまま。

「そう、ね。急がないと、ね」

急がないと。


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