【ミリマスSS】北上麗花の見る世界

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1: ◆TDuorh6/aM 2017/04/16(日) 18:51:15.13 ID:8Yk2JXWyO

2: 2017/04/16(日) 18:53:45.90 ID:8Yk2JXWyO

麗花が倒れた。

その知らせを受けたのは、メモ帳を片手に受話器越しで軽い打ち合わせをしている最中だった。
若干風邪気味で痛む喉を酷使し、なんとかいつも通りの声をだす。
あー、帰りに風邪薬買って帰らないとな。
いや、昼の休憩に薬局まで走るか。

そんな事を考えながら、マスクを外している為皆に少し離れて貰って通話している時だった。
デスクの向かいでその旨の連絡を受けたらしい小鳥さんが、そう呟いたのだ。
おかげで、一瞬思考がフリーズしてしまった。
受話器から聞こえる相手の声で、直ぐ我に返ったが。

最初は事務所の誰もが冗談だと思った筈だろう。
だって、あの北上麗花なのだ。
些か自由すぎるところはあるが、体力やメンタル面に関しては人一倍の強度がある。

エイプリルフールならとっくに過ぎてるぞ麗花、なんて思いながら打ち合わせを終えて受話器を下す。
メモ書きを改めてパソコンで打ち直し、一息ついて。
まったくあの麗花は…なんて思いながら。
改めて、小鳥さんに事情を伺った。

「で、どう言う事なんですか?」

「プロデューサーさん…律子さんが言うには、レッスン中に麗花ちゃんが倒れちゃった、って…」

「…え?律子からか?!」

ここへ来て一気に話の信憑性が上がった。
小鳥さんは色々とユニークな人だけど、仕事に関しては常に真摯な方だ。
そんな人が嘘をついついるとは思えない。
律子に関しては疑う必要がない。

と、いう事は、だ。
あの麗花が、本当に倒れたという事になる。


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