【ラブライブ】梨子「クラゲじゃあるまいし」
本当は逃がしてもよかったのだが、バケツに入れて持ち帰ることにした。
突然クラゲを飼い始めた私に、家人は困惑した。
「よりにもよって、どうしてクラゲなんて飼おうと思ったの?」
「……わかんない」
私の心はクラゲのように脆いので、私でさえも触ることはできない。
だから私は、私の心をせめてこの目で見たいと思い、それをクラゲに仮託したのだ。
「よろしくね」
私の声を聞くと、クラゲの傘が、嬉しそうにフワリと膨らんだ。
名前は何にしようかな。
クラゲの英名は……ジェリーフィッシュだったかな、たしか。
「ジェリーちゃん」
こうして、ジェリーちゃんと私は友達になった。
内浦に越して間もない私にできた、初めての友達だった。