【咲-Saki-】白望「古参、新顔、ニューフェイス」
白望「おおきな新顔と背の高い本棚」
静かなのは良い。
静かなのは、だるくなくて良い。
でも、身じろぎ一つ憚られる図書室の静寂は、決して快適とばかりも言えないものだった。
その日、私たち宮守女子麻雀部の面々は学校の図書室に集まり、一週間後に迫った中間考査に向けて試験勉強をしていた。
日の当たる窓際のテーブルに陣取り、参考書を開き、黙々と各々、ノートなり問題集なりにペンを走らせていた。
高三の夏という大事な時期であり、試験後にインハイを控えていることもあって、みんな真剣である。
三ヶ月前に豊音が編入して来て以来、なんだかんだと五人で集まってはゆるりと遊んでいたが、この日ばかりは真面目な雰囲気だった。
私以外の四人は。