【狼と香辛料】ホロ「大好き」

世界の果てと呼ばれるニョッヒラにおいてさえ辺鄙な場所に店を構える湯屋の名である。

そして――わっちとぬしの大切な場所。

狼と香辛料XXIII Spring LogVI (電撃文庫)

それでも本人が「大丈夫だ」と言うから無理にとめることもできない。
案の定、しばらくしてぬしは病床に伏すことになった。

わっちは情けなく狼狽した恥ずかしさを隠すようにぬしを甘やかし、ぬしはぬしで「あんなに狼狽したホロは久し振りだ」などとたわけたことを言っていた。

「まだ昔を振り返るような年ではありんせん」

「はは、賢狼は厳しいな。そろそろ立ち止まらせてくれたっていいだろ？　けほっ」