【君の名は。】ムスビ。【SS】
少なくとも映画を鑑賞済みであることが前提となります。
超短編、駄文、原作知識浅め、もしかしたら矛盾ありかもでございます。
それでも良いという方のみ、お付き合い下さい。
初めて会ったはずのその人に、何故か俺は懐かしさを感じていた。綺麗な黒髪に、それを結い上げる組紐。ずっと、何年も探していた誰かに会えたと思った。だからだろうか、俺は無意識の内に涙していた。
「私…宮水三葉といいます…」
宮水三葉。その名前を聞いた瞬間、俺は全てを思い出した。記憶から失われていたあの頃の全てを。
「三葉…!三葉!」
「えっ…?」
「俺だ、立花瀧だよ!覚えてるだろ?」
「立花…瀧くん…!」
「そうだ三葉!俺は全部思い出した!お前のことも…あの町のことも!」
三葉の表情が一気に明るくなる。あの日、山の上で見たのと同じ笑顔だ。
「私も思い出したよ…!私、ずっと瀧くんのことを探してたんだね…!」
「三葉…!」
5年の空白を経て、ようやく俺たちは再会した。