【モバマス】ギャルゲーMasque:Rade 文香√

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1: ◆x8ozAX/AOWSO 2018/05/29(火) 19:29:36.46 ID:MYwvqcph0

2: 2018/05/29(火) 19:30:27.31 ID:MYwvqcph0

はぁ……と大きな息を吐く。

口から漏れたその暖かい空気は、周囲を白くし宙を舞い。

風に流されて霧散し消える。

空を覆う雲の色は怪しく、少なくとも良い天気とは言い辛い。

P「遅いな……」

十二月頭の木曜日、俺は玄関前で立っていた。

十六時ともなれば陽は既に暮れ、夜風は冷たく頬を刺す。

びゅぅっと風が道を抜ける音もまた、この寒さに一役買っていて。

わざわざ外で待つ必要は無いのだが、ここまで我慢したのだからと意味の無い意地を張り現状を維持。

P「…………あっ」

はらり、と。

黒と白の中間くらいに見える空のあちこちから、冬の欠片が舞い降りて来た。

コンクリートの地面へ落ちたそれは、小さな跡を残し消えてゆく。

とうとう降って来ちゃったか……

でもまぁ、その程度で諦める様な人じゃないしな。

少し呆れる様に笑って、手に息を吹きかけた。

積もらなければ良いんだけど、積もったら積もったで楽しいし。

とはいえ出来れば、それは深夜の間の出来事であって欲しい。

さて、多分そろそろ来るだろう。

今か今かと、まるで恋人が現れるのを心待ちにするかの様に俺は待つ。

……あぁ、やっぱりだ。

言葉にしなくとも噂をすれば、曲がり角から待ち人が姿を見せた。


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