【モバマス】ギャルゲーMasque:Rade 文香√
ギャルゲーMasque:Rade 加蓮√
ギャルゲーMasque:Rade 美穂√
ギャルゲーMasque:Rade 智絵里√
ギャルゲーMasque:Rade まゆ√
ギャルゲーMasque:Rade 李衣菜√
の外伝・前日譚的な文香√となっております
本編開始より4ヶ月前の12頭月スタートです
最早マスカレじゃ無いのは内緒でお願いします
はぁ……と大きな息を吐く。
口から漏れたその暖かい空気は、周囲を白くし宙を舞い。
風に流されて霧散し消える。
空を覆う雲の色は怪しく、少なくとも良い天気とは言い辛い。
P「遅いな……」
十二月頭の木曜日、俺は玄関前で立っていた。
十六時ともなれば陽は既に暮れ、夜風は冷たく頬を刺す。
びゅぅっと風が道を抜ける音もまた、この寒さに一役買っていて。
わざわざ外で待つ必要は無いのだが、ここまで我慢したのだからと意味の無い意地を張り現状を維持。
P「…………あっ」
はらり、と。
黒と白の中間くらいに見える空のあちこちから、冬の欠片が舞い降りて来た。
コンクリートの地面へ落ちたそれは、小さな跡を残し消えてゆく。
とうとう降って来ちゃったか……
でもまぁ、その程度で諦める様な人じゃないしな。
少し呆れる様に笑って、手に息を吹きかけた。
積もらなければ良いんだけど、積もったら積もったで楽しいし。
とはいえ出来れば、それは深夜の間の出来事であって欲しい。
さて、多分そろそろ来るだろう。
今か今かと、まるで恋人が現れるのを心待ちにするかの様に俺は待つ。
……あぁ、やっぱりだ。
言葉にしなくとも噂をすれば、曲がり角から待ち人が姿を見せた。