【ローゼンメイデン】ジュン「柏葉、好きだ」
その少女は突然少年の家にやって来て、用事が済んだら帰ってしまう。
少年と少女は昔はよく遊んでいた。所謂幼馴染みだ。しかし、今では学校で配られたプリントを渡しにきてそれを受け取るだけの関係になっている。
そんな関係が変わったのは少年──桜田ジュンの家に「ローゼンメイデン」という生きた人形がきてからだ。最初に来たのは真紅という人形だ。
その人形は名前の様に真っ赤なドレスを身に纏っている。
その次が雛苺というまさに子供を絵に描いたような人形だ。
彼女は黄色のドレスを身に纏っている。
雛苺はもともとはこの家に居た訳ではない。
昔はよく遊んでいた幼馴染みだったが、プリントを渡しに来るだけの関係になってしまったその当人。柏葉巴の所にいたのだ。
何故桜田家に来たのかというと、雛苺が柏葉巴に…。と、色々あったからだ。
雛苺が桜田家に来てからは、巴はよく会いに来るようになった。
最初こそジュンは気まずさを感じており、余り喋れないでいた。
しかし会う日を重ねるにつれ、昔の様にまでとはいかないが少しは会話ができるようになった。
それでもなお、二人の間には溝があった。
しかしそれは少しのきっかけで埋まるのだ。