【ラブライブ】侑「虹ヶ咲学園二年四組担任、高咲侑です!」【後編】
▲桜坂邸▲
しずく「ふっふっ……」ノビノビ
お風呂上がりのストレッチ。これはいつもの日課。欠かさず行わないと、すぐに硬くなっちゃう。声の伸びにも関係するし、欠かしちゃいけない日課だ。
ブブブブ…
しずく「ん?あ、侑先生からLINE……」
侑『こんばんは。しずくちゃん』
侑『次の土曜日って演劇部の活動休みだし、前言ってたご褒美の日にしようと思うんだけど、どうかな?』
しずく「つ、遂に来た!!」
私は待ちに待った運命の日が遂に来たんだと舞い上がる。ご褒美の約束をしてから早数十日。もうすぐ八月にもなろうかとする今!
忘れちゃってるのかなって心配になった夜もあった。けれど、侑先生は真剣に考えてくれていた。
ここまで時間を空けて返事をしてくれた。とどのつまりこれは、私へ真摯な対応をしようと、苦慮していたからに他ならない!
しずく「え、えと……。『嬉しいです。土曜日よろしくお願いします』、と……」
しずく「ん……んふふ……」
いけない。頬が緩む。でも、誰も見てないし別にいいよね。今だけは緩みっぱなしのほっぺでも!
侑『それじゃあ、土曜日は朝早くから色々連れ回すからさ、覚悟しておいてね!あとオフィーリアも一緒にね!』
しずく「え?オフィーリアも……?」
そういえば、私が風邪で寝込んでいた時、一緒にオフィーリアの散歩に行けなかったことを悔やんでたっけ。その時のこと、覚えていてくれたんだ……。嬉しい……。
……。
どこにでもあるような河原を、オフィーリアと一緒に散歩をする私と侑先生。
侑先生は頼もしいけれど、オフィーリアの引っ張る力に負けちゃってたたらを踏む。あわや転んでしまう!というところでそんな侑先生を私が受け止める。
侑「あはは……。先生なのにちょっと情けないや……」
しずく「いいえ。ちっとも情けなくなんかないですよ」
侑「そ、そうかなぁ?」
しずく「私は、頼もしく強い侑先生だけじゃなくって、弱い侑先生のことも知りたいです。だからもっと、私を頼ってくれていいんですよ……?」
侑「しずくちゃん……」
しずく「侑先生……」
暮れなずむ夕日を背に、二人の唇はどんどん接近して──
スイ「妄想してるところ悪いんだけどさ、しずく」
しずく「はぅああっ!?」
スイ「いいのかい?既読してからもう数分以上経過してるよ?早く返信しないといらぬ誤解を招くんじゃないの?」
しずく「あ、あああ、う、うん……」
侑先生への想いがスイに筒抜けなのはもう今更のことだけど、今回は妄想に行くまでシームレス過ぎた……。ちょっとだけ恥ずかしい……。
しずく「えっと……『はい。オフィーリアも一緒ですね。了解です』っと」
しずく「『土曜日のデート、楽しみにしてます』っと」